#月の満ち欠け
#佐藤正午
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#あらすじ
小山内(おさない)堅は15年前に、妻の梢と娘の瑠璃を事故で亡くしていた。
亡くなって何年も経ってから、その瑠璃に関する信じがたい話を聞かされる。瑠璃は別の"瑠璃"の生まれ変わりだというのだ。
にわかには信じられない小山内だが、生前の妻は娘の異変に気づいていたのではないかとの思いもよぎる。
彼女に関わる男達が語る幾人もの"瑠璃"。
彼女は娘であり恋人であり、妻だった…
何度亡くなっても、また生まれ変わる。月の満ち欠けのように繰り返される、数奇な物語。
#感想
直木賞受賞作品。
この感想は正直とても難しくて、いっそ書かないでおこうかと思った位です。
正直、好みではなかったかな…
とにかく、登場人物の誰にも共感出来ないんですよ。これはね、ちょっと読んでてしんどかった。
一応、愛の物語ってことになってるんだけど、家庭に居場所を見出せなくてフラフラしてた主婦が、たまたま出会った大学生と数回会って…そこまで運命の恋感じるかな?!っていう。
かつて大学生だった男の子も大人になって、初めての女性だったからあれほど夢中だったのだな、的に振り返ってたりするんですよね。
そんな風に思ってた女性が、生まれ変わってまで会いに来るとか、こう言いますと元も子もないのだけど、ちょっと…怖くない?
いや、あれですね、本の感想には自分のひねくれ具合が露呈しますね(´・ω・`)
でも、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」を2人だけの合言葉に、生まれ変わった時の印とするのはとてもロマンチックだと思いました。
初めての人に固執する人間臭さと、思い出の言葉を印にするロマンチシズムの振り幅がエゲツナイ。
臭いのに爽やかっていう、謎現象に混乱をきたしました。
でも一番混乱したのは、なのに読ませてくるというところ。
全然理解できん…と思いながらも嫌々じゃなく、ほんとにスイスイ読んでて、気がついたら読了してるんですよ(しゅごい)
文才というものを見せつけられた感じがします。
最後の、伊坂幸太郎氏の「解説はお断りします」という寄稿がとても納得いったので、読まれる際は最後まで是非((❛◡❛✿)