#想い雲
#髙田郁
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#あらすじ
大坂の名料理店「天満一兆庵」が火事で焼けた後、芳と澪は江戸へ支店を作りにいった若旦那 佐兵衛をずっと探していた。
つる家での商い中、偶然二人は元 天満一兆庵の料理人で、佐兵衛と一緒に江戸へ行った富三と再会する。しかし富三から聞かされた佐兵衛の行方は思わず耳を覆いたくなる悲惨な話だった。
江戸で複数店、女料理人を打ち出した店が現れた。女料理人が増えたことを素直に喜ぶ澪だったが、どうやら澪達のつる家を真似た紛い物らしい。
真似は真似、と堂々としていたつる家の面々だったが、やがて偽物が起こしたとんでもない事件が、本物のつる家に深刻なダメージを与えてしまう…!
人気シリーズの3作目。
#感想
▼過去作はこちら
可愛い名前に反して毎回試練があるのでお馴染みの『みをつくし料理帖』ですが、今回は特に辛かった(;ω;)
料理屋にとって致命的にもなる食の安全。
それは今(現代)も昔(江戸時代)も変わりません。
その汚名を、他の、しかも自身の店を猿真似した店によって着せられるなんて…!
毎日ガラガラの店内でも、今日はお客が入るかもと信じて仕入れを止めない種市が何ともいじらしい(初老のお爺さんに使う言葉じゃないかもだけど)。だけど無情にも使われずに萎れていく食材を見て唇を噛む澪…
もう、ほんと勘弁してつかぁさい(;ω;)
昔は自身で発信する方法が無いからなぁ。
誤解も誤解と伝わらない、その手段が無い。
その分現代には悪意あるフェイクニュースというのがあって、それはそれで誰もが嘘の情報を流せるようになってしまっているので、どっちが良いとは安易に言えないけど。
辛い時に同じ気持ちでいてくれる人がいるのは慰められるけど、辛さがなくなる訳ではないし、場合によっては一緒に落ちていってしまう。
今回珍しく、謎のお侍小松原さまが「下がり眉(澪ちゃんのこと)を口説きたいのだ」なんて軽口を叩いたので"おっ"と思ってしまった。
安易に助けてはくれないんだけどね、ピンチの時にそれとなく道標になるようなことを呟くんだ、この男。
さて、今回澪の真っ暗な道筋に光を差し込んでくれるのはお医者の源斉さまか、謎の侍小松原さまか?!
でも一番のオットコマエはあさひ太夫なんだけどね(❛ᴗ❛๑)⁾⁾ マチガイナイ