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#あらすじ
京都を根城にする狸たちは、読み書き算盤から乙女の口説き方までを天狗に学ぶ。
糺ノ森に暮らす下鴨矢三郎もその1匹。かつて向かうところ敵なしの大天狗だった赤玉先生を師とあおぎ、先生が老いぼれ、ぼろアパートで籠城を決めこんだ後も足繁く通っては厄介ごとに巻き込まれている。
忘年会で狸鍋を喰らう金曜倶楽部や、赤玉先生が骨抜きになっている冷徹な美女弁天、狸界の頭領の座を巡る戦いと、今日も狸たちの日常は目まぐるしくて退屈している暇がない!
#感想
大好きな本の1つ。
森見先生といえば京都ですが、京都のレトロさと狸というふわふわコロコロのポップな存在が見事にマッチしているのであります。
また、登場狸物のキャラクターがたっていてとても魅力的(天狗もね)。
主狸公である矢三郎は、飄々と器用に世を渡っていけるにもかかわらず、その身に流れる阿呆の血からしょっちゅう食べられそうになっているし、彼の家族たちも一癖二癖三癖も四癖もある。狸のくせに頭カチカチの長兄に、井戸に沈む哲学蛙の次兄、ぷんぷくりんにピュアな弟、お茶目なお母さん、漢前のお父さん…
私の腕が長ければ、皆まとめてギュウッとしているに違いない。
どんなストーリー?と聞かれたら難しいけれど…毛玉が縦横無尽に京都の街を躍動するお話でしょうか。