#青の炎
#貴志祐介
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#あらすじ
高校生の櫛森秀一は、成績優秀で学校での友人関係は良好、母と妹との家族仲も良く充実した生活を送っていた。母の元再婚相手である曾根が現れるまでは。
大切な家族を踏みにじろうとする曾根に怒りの炎を燃やす秀一は、曾根の殺害を計画し、惜しみない努力を始める…
#感想
読後、深く考え込んでしまった。
悪を未然に防ぐ為には何も出来ないのか。まだ行われていないだけで、ありありと目の前に迫っているのが分かる災難に対して、先に火の粉を払う行為は許されないことなのか…
秀一は賢く家族想いで、どんなに将来有望かと思われます。殺人を完全犯罪にする為に繰り返し行う実験の様子も、それが犯罪でなければとても爽やかな描写で描かれています。
だからこそ、大人の私達はその後に待ち受ける破滅の気配になんとも言えない悲しさを覚える。
貴志さんの残酷さが存分に発揮されていました。
避けたいものの、これ以外の結末は無かったと思う。
エグられるが、是非読んでもらいたい一冊。