#切り裂きジャックの告白
#中村七里
・
#あらすじ
都内の公園で、臓器を全て取り除かれた若い女性の死体が発見される。新聞社には"ジャック"と名乗る人物から犯行声明が送られ、その後ジャックの宣言通りに連続殺人が起こっていく。
やがて被害者達は、同じドナーからの臓器を受け取っていたという共通点が発見される。刑事犬養は、自身もドナーを待つ娘の親という複雑な心境で捜査に当たる中、ドナーの母親の切ない姿を目にすることになる。
#感想
中山七里さんの知識の豊富さ、知見の深さには毎度脱帽します。今回も臓器移植という難しいテーマを扱っていて、事件の謎と臓器移植への考え方という2つの面でハラハラしました。
"命のバトン"って良い言葉だな、と思います。ドナーの臓器は決して代わりの物では無く、次の人へ繋ぐ命を紡いでいく物なんですね。
それを考えると、どうしてこのようなことに…と暗澹たる思いになりますが、最後までバトンを愛した人の姿に美しさも感じられる、暗いだけではない話。
もちろん中山七里さんの小説なのでね、ミステリとしての要素にも大満足します!
|