#medium
#相沢沙呼
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#あらすじ
推理作家の香月史郎は大学時代の後輩、倉持結花から不思議な頼み事をされる。
曰く、夜な夜な枕元で女が泣くという不可解な出来事が起こる為、一緒に霊媒師の元へついてきて欲しいのだと。
高級マンションにやってきた香月と結花は、そこで人形のような美貌の霊媒師、城塚翡翠(じょうづかひすい)の常人離れした力を目にする。
この出来事をきっかけに、香月と翡翠はいくつもの事件に遭遇することになる。
自身の力で「犯人が分かっちゃいました」と言う翡翠だが、一つ難点が。"霊媒で見た"は証拠にならない。
翡翠の能力と、それを元に推理する香月。
二人はペアとして事件解決に当たるが、翡翠は、事件に関わり続ければいずれ自分は死ぬという避けられない予感を感じていた…
#感想
…
……
してやられたッ
気持ち良い位にしてやられた。いや、気付いてたんだけど、むしろ作者によって気付かされてたというべきか。
何を言ってもネタバレになりそうなのは、どうしたらいいの。
とりあえず読めば分かる。
そう言うしかないか。
(ここからはネタバレを含みます。
今後読むかもな人は引き返してね!)
違和感はあった。
多分、本読みだからというより女性だから(ラノベ以外で「ひゃうっ」みたいに言ったりする女の子出てくる?)。
その"気持ち悪さ"に蓋をしてしまったのは、「考えることを放棄してページを進めてしまった」から。
全く耳が痛いよ、相沢さん。
『medium』の巧妙さは、普段ミステリを読まない人には驚きをもって楽しませ、裏を読みたがる本読みに対してもその思考を逆手に取ってアッと言わせる、誰が読んでも驚きがある点だ。
犯人に気付いた時、油断して更にその裏にある真実を見落としてしまう。
"我こそが気付いた!"と思わせるのは、その実、本当に隠したいことを隠す為に気付かされていたという罠。
滑稽だね。なのに、それすら快感だなんてミステリ好きは全く救いようがない(私です)。