#異邦の騎士
#島田荘司
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#あらすじ
目が覚めた時、俺は仕事も住んでいる場所も自分の名前ですらもすっかり思い出せないでいた!
記憶を喪失し絶望の中にいる男を救ってくれたのは、愛らしくて無邪気な一人の女性だった。しかし、平穏な幸せを手に入れる為に男が記憶の片鱗と向き合った時、驚愕の過去が明かされ、男は更なる絶望へ追いやられる…
果たして記憶は戻るのか、そして新たな幸せを守ることは出来るのか?!
#感想
御手洗潔シリーズ第4作目。
御手洗潔の作品はまだまだ続くけど、少なくともここまでは読んで欲しいし、一つの区切りのように思います。
シリーズとしては時系列が前後するんだけど、この『異邦の騎士』まで読んで初めて、御手洗潔シリーズを読んだ、という気持ちになりました。
▼御手洗潔シリーズ1作目はコチラ(o’ω’o)ノ
(以降はちょっとネタバレ
未読で今後読むかもな人は引き返してね)
紛れもないミステリなんですが、ミステリというより人間ドラマを見ているような。ミステリにそういった要素は不可欠なんですけどね。今回は特に特殊。島田先生も仰られていますが、1作目に発表する話ではない、それが正解に思われます。
御手洗潔シリーズは『占星術殺人事件』のようなセンセーショナルな作品が始めに来て、それからいくつもあった上でのこの作品だからより面白く読める、というのは確かにありました。
特に前作が短編集だっただけど、完全にやられました。チラチラと関連づけされるエピソード、シリーズものの醍醐味ですね。
「懐かしいだろ?」と言ってジャズの演奏後に握手してたエピソードが気持ち良く思い出されました。
奇人変人の御手洗さんですが、気に入った人は本当に大事にする、素敵。"彼"には、是非とも幸せになってもらいたいですね。