#すみれ屋敷の罪人
#降田天
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#あらすじ
旧紫峰邸の敷地から2体の白骨遺体が見つかった。
遺体の身元調査の為に、最後の主人である紫峰太一郎のかつての使用人らに聞き取り調査が行われる。
各人の証言を元に紐解かれる謎。そこには悲しい物語が…
#感想
はじめに言っておくと、私は大正や昭和初期を舞台にした、あの独特な雰囲気を醸す作品が大好きです。更に、一つの謎に対して色んな人の視点から語られ、徐々に事実が浮き彫りになるという話にも目がない。
つまり、この作品は大好物以外の何物でもないということ!
特に最初の証言、田舎から出てきて紫峰邸に仕えた元使用人の栗田信子のものは素晴らしかった。田舎娘の純粋で憧れに満ちた瞳で見られた紫峰邸、輝かしい昭和の名家の良さが遺憾なく発揮されてるぅ。
しかも…しかもですよ!最後の最後でまさかこんなオチが待っているとは。そして次の証言者へとまだまだ物語は続くのです。
横溝先生のようなおどろおどろしさはありませんが、十分面白かったです。