#ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
(#ゼロハチゼロナナ)
#辻村深月
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#あらすじ
地元から飛び出し、東京でライターとして働くみずほ。彼女は、疎遠になっている友人達の一人一人に会いに行く。地元に残った心優しい幼なじみ、今は実母を刺して逃げ続けるチエミについて聞く為に。
#感想
精神的に超重量級…。みずほが話を聞きに行く旧友達も、みずほ自身も現状への不満と不安に身を焦がしています。それを表面上は取り繕って、でも透けて見えて。
辻村深月さんはホント、女性の暗くて歪んだ心理を書かせるなら日本代表選手だ!
身に染み付いた価値観や、どうにもコントロール出来ない癖のようなものを、環境やとりたて親のせいだと考えることって誰しもある経験かと。実際、原因というか自分というものが出来る上で影響はある(アドラーは無いって言うけど)んじゃないかと感じるんだけど、言い訳なのも分かってるんだよね。だからそんな自分がたまらなく、ますます嫌になる。
この作品は、そんな人間の弱ーい部分を執拗に刺激してくる…辛い!
でも、それだけで終わらないのが辻村深月さん!さすがです。切り捨てられないし、本当なら切り捨てたくないという愛と甘さへの一撃を喰らいました。